FP協会ときんざい(金財)の違いを簡単に解説すると・・・

FP試験について

FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取ろうとして最初に困惑するのが検定を実施している団体がFP協会ときんざいの2つあること。

簿記検定でも複数の団体が独自に検定を実施していますよね。

なのでこの2つにどんな違いがあるのか、どちらを選べば良いのか迷ってしまう人もいるかと思います。

そこで今回は、両者の違いについて簡単に解説していきます。

 

FP協会ときんざいの違いは実技試験

結論から言っちゃいますが、FP協会ときんざいの違いは「実技試験」です。

FP技能士検定は学科試験と実技試験の2つあり、学科試験は両団体も共通ですが、実技試験が異なります。

 

  FP協会 きんざい
3級 資産設計提案業務 個人資産相談業務
保険顧客資産相談業務
2級 資産設計提案業務 個人資産相談業務
生保顧客資産相談業務
損保顧客資産相談業務
中小事業主資産相談業務
1級 資産設計提案業務 資産相談業務

 

そのため、どの実技試験を受検するかで、どちらの団体に申し込むかが変わってきます。

しかしFP技能士検定1級の学科試験はきんざいでしか実施していません。

 

そもそもFP協会ときんざいとは?

ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)は日本の国家資格で、この検定を行っているのがFP協会ときんざいの2つの団体です。

正式にはFP協会は「特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」、きんざい(金財)は「一般社団法人金融財政事情研究会」です。

何となく名前やホームページからもわかるようにFP協会の方が今どきっぽいというか垢抜けた感じで、きんざいは少し固い感じがします。

歴史はきんざいの方が古く、1950年に設立されました。

1985年、日本で初めての金融機関業務関連の評価制度「テラー技能審査」を労働省が技能審査として認定し、1987年には日本で初めてのファイナンシャル・プランナーに関する認定制度である金融渉外技能審査を労働省が技能審査として認定しました。そして2002年に「金融渉外技能審査」と「テラー技能審査」が廃止され、国家資格としてファイナンシャル・プランニング技能士と金融窓口サービス技能士が追加されます。

FP協会は1987年に設立されました。

FP協会はアメリカのCFPボードと業務提携し、日本にCFP資格を導入した団体です。日本ではFP技能士検定が有名ですが、実は世界的に見るとCFPがメジャーなFP資格なのです。

 

FP技能士の資格はどちらで取得してもOK

FP1級の学科試験はきんざいでのみ実施しています。

FP1級はきんざいで2級を取得しないと受検できないと考えている人もいるかと思いますが、それが誤解です。

反対にFP協会が認定しているCFPになるにはFP協会で2級に合格しなければならないといったこともありません。

FP技能士の資格はどちらの団体で取得したとしても優劣はなく、同じ価値の資格となりますので安心してください。

 

受験料や試験日に違いはあるのか

受験料や試験日についても違いはありません。

ただ受験会場はそれぞれで異なります。

また、きんざいの方が受験者数が多いため、その分会場も多いです。

 

FP協会ときんざいの実技試験の違い

FP協会はオーソドックスというか基本的な問題が多いのに対して、きんざいはクセのある問題が出題されることがあります。

またFP協会の実技試験の方が簡単だという人も多いです。

これはあくまで主観なので一概には言えませんが、合格だけが目的ならFP協会の方が合格しやすいかもしれません。

FP2級の実技試験に関してはFP協会の方が問題数が多く、問題冊子のページ数も多いです。

ただ、きんざいは問題数が少ない分、1問のミスが命取りになる可能性があります。

 

FP協会ときんざいの受験者数や合格者数の違い

 

2019年1月実施3級FP技能検定

【FP協会】

  受験申請者数 受験者数 合格者数 合格率
学科試験 29,924 23,270 17,240 74.09%
実技試験 28,508 21,950 18,303 83.38%

 

【きんざい】

  受験申請者数 受験者数 合格者数 合格率
学科試験 35,357 26,256 13,631 51.91%
実技(個人資産相談業務) 17,711 14,863 8,355 56.21%
実技(保険顧客資産相談業務) 21,490 14,903 5,860 39.32%

 

2019年1月実施2級FP技能検定

【FP協会】

  受験申請者数 受験者数 合格者数 合格率
学科試験 28,564 22,076 10,654 48.26%
実技試験 25,043 18,499 9,307 50.31%

 

【きんざい】

  受験申請者数 受験者数 合格者数 合格率
学科試験 48,659 36,174 11,254 31.11%
実技(個人資産
相談業務)
28,392 21,238 7,844 36.93%
実技(中小事業主資産相談業務 ) 2,717 2,095 712 33.98%
実技(生保顧客
資産相談業務)
11,529 7,255 2,907 40.06%
実技(損保顧客
資産相談業務)
18 12 6 50.00%

 

こうして見てみると、きんざいの方が受験者数が多いことがわかります。

しかし合格者数を見てみると、それほど違いはありません。

合格率にも出ているように、きんざいよりもFP協会の方が合格率が高いです。

では、きんざいよりFP協会の方が合格しやすいのかというと、確かにそういうい側面も多少ありますが、本来なら学科試験の内容は共通なので、実技試験だけ差異があるはずですよね。

しかし学科試験、実技試験ともにFP協会の方が合格率が高いです。

一番の要因は受験生のモチベーションの違いと言われているそうです。

FP技能士検定を受験する人は様々理由から受験します。

自分の生活に役立てるため、キャリアアップのため、独立開業するため・・・。

そして会社から受験するように言われて試験を受ける人もいます。

FP協会の受験生は自らの意思で受験する人が多く、反対にきんざいは会社から受験するように言われて受験する人が多いとも言われているそうです。

これらの理由から、FP協会の方が合格率が高くなっているだけで、FP協会の方が合格しやすい!と単純な話にはならないのです。

 

FP協会ときんざいのどちらを受験すれば良い?

さて、これまでFP協会ときんざいの違いについて解説させていただきましたが、結局どちらを受験すれば良いのか。

冒頭でも述べたようにFP協会ときんざいの違いは、実技試験にあります。

FP協会は資産設計提案業務のみになりますが、きんざいは個人資産相談業務や保険顧客資産相談業務などがありますので、ご自身がどの実技試験を受験したいのかによって決めることになります。

ちなみに筆者は個人の顧客とのやり取りでFP資格を役立てたいと考えていたので、きんざいの「個人資産相談業務」を選択しました。

後々、AFPやCFP、FP技能士検定1級の資格取得を考えている人でもどちらから受験しても全く問題はないので、実技試験のみ検討して決めましょう。

 

以上、FP協会ときんざい(金財)の違いを簡単に解説すると・・・でした。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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