FPと行政書士はどっちが難しい?ダブルライセンスの相性は?

FPとダブルライセンス

FPと並ぶ人気資格の行政書士ですが、難易度としてはどちらの方が難しいのでしょうか。

またダブルライセンスという方法もあります。

その相性はどうなのか、解説していきます。

行政書士とは?

資格の人気ランキングでトップ10に入るであろう行政書士。

しかし実際に行政書士がどんな仕事をしているのかを知っている人は多くないと思います。

行政書士とは簡単に言うとその名の通り行政と市民を繋ぐ存在と言えます。行政書士の仕事は許認可系と民事系の2種類に大きく分けられます。

まず許認可系ですが、これは官公署に提出する書類の作成と提出の代理を業務とします。有名なところで言うと建設業許可申請や運送業許可申請、車庫証明の申請などです。何かを開業したり生業とする際は、大抵の場合、役所などに申請して許可を得る必要があります。その申請書類の作成は慣れていないと時間と手間がかかり、提出する必要書類の収集も大変な作業です。そこで依頼人に代わって書類の作成から提出までを行うのが行政書士です。

次に民事系ですが、これは相続手続きや遺言書の作成、遺産分割協議書の作成、離婚協議書の作成などになります。こういった書類の作成や必要書類の収集も一般人には大変な労力を伴うため、代わりにその作成等を行います。

行政書士の魅力はその業務範囲です。許認可系の場合、官公署で取り扱う許可申請の種類は1万種類を超えると言われます。それゆえ、弁護士のように専門特化した行政書士もおり、前職で得た経験をもとに専門特化して成功している行政書士も沢山います。

FPと行政書士の相性は?

行政書士の先生の中でもFPの資格を持っている方は結構見受けられますし、私個人の意見としても相性は悪くないと思います。

例えば、許認可系をメインの業務にした場合、顧客は経営者が多くなります。行政書士の仕事は許認可申請なので、申請が通ったら終わりのようにも思えますが、更新手続きもありますし、業務の拡大を見据えて準備の提案をするなどコンサルティング色も強い傾向があります。そこで経営者との繋がりができれば今度は経営者個人をファイナンシャルプランナーとしてコンサルティングする業務に繋がる可能性もあります。

また民事系の場合、顧客は一般市民となります。相続手続きや遺言書の作成、離婚協議書の作成などお金に関する事案も多いです。そのため、そういった顧客に対してファイナンシャルプランナーとしてアプローチする方法もあります。

さらにファイナンシャルプランナーとしての顧客から、行政書士の業務に繋げていくという方法も考えられます。

FPと行政書士の難易度を比較すると?

FP資格と行政書士の難易度についてですが、まず行政書士の難易度について解説していきます。

行政書士試験は毎年11月の第2日曜日に実施されます。この1度だけで、年に1回しかありません。試験の内容は基礎法学、憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法からなります。また一般知識問題として政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解も出題されます。試験方法は主にマークシート方式で、記述式問題が3問出題されます。

では行政書士試験の合格率はどれくらいなのか?

行政書士試験の合格率は10%前後を推移しています。以前は10%を切っていたのですが、ここ最近は合格率が上昇しており、10%を超えることが珍しくありません。行政書士試験は法律系資格の中でも比較的合格しやすい資格と言われていますが、合格率だけ見ると決して容易いものではないことがおわかりいただけると思います。

本題のFP資格との比較ですが、まずFP技能士検定は3級から1級まであります。3級と2級を行政書士試験と比較すると行政書士試験の方が難易度が高いと言えます。FP3級の合格率は50%以上、2級の合格率は25%以上のため、合格率で見てもわかりますし、実際に受験してみた感想からも言えます。

ではFP技能士検定1級と行政書士試験ではどちらの方が難易度が高いのか?

向き不向きもありますが世間一般でも行政書士の方が難易度が高いと言われていますし、個人的にも行政書士試験の方が難易度は高いのではないかと感じます。FP1級の合格率は学科試験と実技試験で大きく異なり、学科試験の合格率は10~15%ほど、実技試験の合格率は80%以上です。学科と実技を合わせて考慮しても若干、FP1級の方が合格率は高いと言えます。

また勉強時間で比較することもできます。FP1級で合格に要した時間を平均してみると300時間が目安となってきます。これに対して行政書士は800時間が目安となります。もっともFP1級は受験資格があるのに対して、行政書士は受験資格がないため一概に言えないところもあります。ある程度の学力がある人たちが受験勉強に要する時間とまったく知識がない人が必要になる勉強時間は違うからです。またFP1級を受験するために3級や2級に費やした勉強時間を合算すると違った見方になるかもしれません。

どちらを受験すべきか

FP資格か行政書士で迷う人は自分の仕事にどう活かしたいかで考えた方が良いです。

例えば、転職や現職のスキルアップとして活かしたいならFPのほうが良いでしょう。反対に独立開業を目指すなら行政書士がおすすめです。

ファイナンシャルプランナーとしても独立開業している方はいますが、まだまだ厳しい世界だと思います。画期的なビジネスモデルを持っているとか、既に顧客がついているなど、勝算が見えないままでは難しいでしょう。

行政書士は独立開業型の資格で、実際にほとんどの行政書士は独立開業で勝負している人が多いです。反対に就職や転職としてはあまり向かない資格です。行政書士事務所や司法書士事務所などに就職するという方法もありますが、求人はそこまで多くはありません。

もし、どちらも取得したいと考えているのならFP技能士検定は最低でも2級までは取得した方が良いです。3級だと正直なところ名刺に記載するはやめておいた方がいいでしょう。

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