FP(ファイナンシャルプランナー)は様々な職種の方が取得している資格ですので活かし方も様々ですが、主に営業職で活かす方が多いかと思います。そこで今回はFPとして営業を成功させる3つの秘訣をご紹介していきます。是非、参考にしてみてください。
まずはじめに
まずそもそもFP(ファイナンシャルプランナー)にも色々な方がいらっしゃいます。例えば保険の営業マンや銀行員、不動産会社の営業などなど。こういったFPと繋がりの強い職種で資格を取得している方が多いかと思います。またFPとして独立開業している方もいます。もともとの職種がある方はその職業の営業方法があるかと思いますので、今回は独立開業した人向けに営業についてご紹介していきます。
とは言え、その職種独自の営業にも参考になるかと思いますので、今回ご紹介した内容で気になるものがあれば是非試してみてください。
ベネフィットを前面に出す
最近ではFPという資格の認知度も上がってきたこともあり、ファイナンシャルプランナーという資格も知って頂いているお客様も増えてきました。
しかし、名前は知っているけど実際には何をしてくれる人なのかが明確にわからないという方が多いのが現実です。FPの仕事でメインとなるものはライフプランニングです。従ってこのライフプランニングをお客様に提供していくわけですが、これがまたわかりにくい・・・。またライフプランニングをするだけで顧客がお金を支払ってくれるというのもなかなか難しい話でしょう。欧米ではコンサルティングに対して対価を支払うことに抵抗はないのですが、日本ではまだそういった感覚が根付いていません。実際にはライフプランニングしつつ、そのために必要な保険商品や、不動産の購入、資金繰りといったその先の商品を提供するための道具として活用している人が多いでしょう。
従ってライフプランニングをすることによって見えてきた様々な問題を解決するために、どんなベネフィット(利益)を提供できるのか?これが明確且つわかりやすく伝わらないことにはお客様が話を聞いてくれることはありません。
FPの仕事はライフプランニングと言いましたが、実際にライフプランニングをすることによってどんなベネフィットがあるのかが重要で、このベネフィットも具体的な数字であるとなお良いです。ライフプランニングをすることによって、この先々の将来を見据えてそのためにいくら必要になるのか。そして顧客が思い描く将来のために保険商品で運用する、ローンの支払いを節約できるとか。こういった具体的な数字が見えることで顧客側が聞く耳を持ってくれます。
そのため、保険の営業や不動産の営業などはライフプランニングから、本来提供したいサービスへと繋げやすいのですが、独立開業型のFPはこの具体的なベネフィットがない場合が多いです。ライフプランニングはあくまでも取っ掛かりや入り口であると考えて、その先のサービス提供を模索することが大事です。
ここでの注意はあくまでも顧客にとって有益になるかどうかという点です。こちらが売りたい商品やサービスをなんとか契約に持ち込みたいという気持ちが出れば出るほど顧客側は引いていきます。まずは顧客の立場に立って顧客にとって有益になる情報を提供し、信頼関係を築く必要があります。「この人は信頼できそうだ」「この人が言うなら試してみよう」と思わせることが大切です。
こういったところを蔑ろにすれば必ずしっぺ返しを食らいます。「あの人は信頼できない」となればその噂はすぐに広まりますし、最悪の場合、ファイナンシャルプランナー自体の評価低下に繋がってしまいます。
富裕層をターゲットにする
仮にライフプランニングや資産相談業務をメインで行っていくなら富裕層をターゲットにするのも手です。富裕層の場合、お金に対する関心も高く、また節約や節税、資産運用といったことに抵抗がありません。また本当に有益な情報であればコンサルティングに対して対価を支払うことにも抵抗がない人が多いです。さらに富裕層は人脈も広いため、そこから業務が派生していくことも多いです。
この富裕層には経営者など事業で成功した人はもちろんですが、遺産や退職金が入った人なども含んで考慮した方が良いです。今は昔と違い、退職金や年金だけでは生活水準を維持できないという人も増えています。また高齢化社会でもあるため親が亡くなり、土地やまとまったお金を相続したという人も増えています。こういった方々はその後の人生設計に対して興味を持っている方が多いため、FPの得意分野であるライフプランニングを活用するチャンスと言えます。
また富裕層とは言えないまでも年収800~1,200万円ほどの比較的高収入を得ている層もターゲットとして狙い目です。こういった年収の高い層は一見生活にゆとりがあると思われがちですが、意外とお金に苦労している方が多いです。その多くは年収に見合った生活水準ではないことが原因ですが、その点も含めてライフプランニングを行い、さらにその先のサービスへと繋げていきやすいターゲットです。
特化してスペシャリストになる
FPの学習する分野はお金に関する様々なことを学びます。そのためFPはお金に関するゼネラリストとも言えます。しかし、これからの時代はゼネラリストよりもスペシャリストが求められる傾向にあります。「何でもできる人」は裏を返せば「何も出来ない人」とも言えます。顧客側からしてもただ「ファイナンシャルプランナーです。」と言われてもピンと来ないでしょうし、それで何をしてくれるの?となるだけです。
ファイナンシャルプランナーとしての得意分野であるライフプランニングや資産相談業務をしつつ、何かに特化したサービスを提供出来なければ、顧客は注目してくれません。例えば、近所の町医者に行くとしてA病院は「外科・内科・整形外科・皮膚科」などなど色々な診察業務をしています。B病院は「外科・整形外科」に特化しています。自分が骨折したらどちらの病院に行くでしょうか。やはりその分野に特化している病院に行きますよね。
また特化することにより、自分が早く成長できるというメリットもあります。幅広い分野を守備範囲とするとどうしてもその道のスペシャリストには敵いません。しかし守備範囲を狭めることでその分野にかけられる時間もお金も変わってくるわけです。そのため入ってくる情報量も築き上げられる人脈も歴然とした差になってきます。
これは前述した「ベネフィットを前面に出す」という点にも関係してきます。顧客に対してどんな利益をもたらすことができるのか、そしてその道のスペシャリストなのか。これがとても重要になってきます。
まとめ
FPの営業で苦戦している方は営業の方法論やテクニックばかりに目が行きがちですが、その前にもっと大事なことがあることを忘れています。もちろん営業のテクニックは重要ですが、それはあくまでも補助的な役割であって、その前に本当に顧客のメリットになっているのかどうかが一番重要です。顧客にメリットを与えられるサービスや商品を提供する準備ができているのか、そして顧客にメリットを与えられるスペシャリストになれているのか、営業に苦戦する場合、こういった一見当たり前のことが出来ていない可能性が高いです。
会社には必ずと言っていいほど、理念というものが存在します。理念は会社の方向性を示すもので、これがない会社は間違いなく倒産していきます。そこで何かに迷ったら理念に立ち返るということも大切な作業となります。従ってFPを開業したという人は必ず理念を定めましょう。これは起業の基本中の基本とも言えます。何のためにこの事業をするのか。こういったことから自分の本来やりたかったことや使命のようなものを思い返すことができます。さらにその理念から本当に顧客のメリットとなるサービスや商品が見えてくるはずです。
もちろん、こういったことは一朝一夕で出来るものではないかもしれません。しかし、だからこそそれを生み出した時には他と差別化を図ることができ、競争にも負けない独自の強さとなっていきます。そしてそのサービスや商品をより多くの人に提供するためにはどんな営業方法が適しているのか、理念や本質の次にこれを考えていくことになります。つまり理念や事業の本質が先であって、サービスや商品はその次なのです。
そして、その生み出したサービスや商品を必要としている人はどんな人なのかを模索していきます。ターゲット層はどこにいて、何歳で、男性なのか女性なのか。こういった原則をきちんと行っていけばおのずと営業方法も見えてきますし、その営業を成功させるために必要なテクニックも変わってきます。
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