定年後や老後のお金などについて悩みを抱えている人は多くいます。
自分自身の生活に役立てるためや定年後も充実した老後を送るためにFP資格を目指す人が増えているようです。
そこで今回はFPと定年後について解説していきます。
参考にしてみてください。
定年後の4大リスク
- 資金
- 健康
- 目的の喪失
- 終活
定年後に問題となると言われているのが上記の4つです。
健康に関しては意識が高い人が多いため、注意している人が多いでしょう。
問題は他の3つです。
資金的リスク
総務省の家計調査報告によると、高齢無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の公的年金などの社会保障給付は、1カ月におよそ19万円です。同じく家計調査によると月々の支出はおよそ27万円であるため、不足分は月々8万円程度となります。年間で考えると、8万円×12カ月で96万円。老後期間が20年で1,920万円、25年で2,400万円となり、これに家のリフォームや自動車購入、医療など加えると老後資金は3,000万円程度が目安であるといえます。
三菱UFJ信託銀行ホームページより
年金2,000万円問題がありましたが、老後の年金額の不足分を補うには3,000万円程度が必要になります。
あくまでも目安ですが中小企業の退職金額は約1,400万円(東京都産業労働局調査)、上場企業などの大手企業の場合は約2,300万円です(日本経済団体連合会調査)。
これらは大学卒の場合で、高卒や短大卒などの場合は90%程度の金額となります。
とすると中小企業の場合は1,600万円、大企業の場合は700万円ほど不足することになります。
目的の喪失
老後で意外と問題となりやすいのがこの「目的の喪失」です。
ビジネスパーソンとして忙しく働いていると、定年後は悠々自適に暮らしたいものですよね。
しかし実際に悠々自適な暮らしをしていると、何か物足りなくなってしまう。
そんな悩みを抱える高齢者は多いそうです。
また家にいると奥さんのストレスが溜まってしまって夫婦仲も悪くなってしまうという話もよく聞きます。
終活
最近では終活も話題になり、取り組む人も増えてきましたね。
しかし、まだまだ先のことと考えている人も多く、後回しにしている人も多いでしょう。
終活は自分が死んでも残された家族が困らないように準備することですが、何から手を付ければ良いのか、何をどこまでやれば良いのかわからず、結局手つかずになっている人もいるかと思います。
これらの問題に対処できるひとつの方法としてFP資格を利用する手があります。
定年後のライフプランニングに役立てる
定年後の資産リスクを回避するには、貯蓄と資産運用がメインとなってくるでしょう。
仮に1,600万円を貯蓄するとして、その場合のケースを見てみます。
大卒で入社して60歳で定年した場合、勤続年数は38年。
1,600÷38年=42.1万円
入社して毎年42.1万円(月々3.508万円)を貯蓄すれば1,600万円に到達します。
しかし現実はなかなかそう上手くはいかないようです。
全世帯 | 高齢者世帯 | 児童のいる世帯 | 母子世帯 | |
中央値 | 500~700万円未満 | 500~700万円未満 | 300~400万円未満 | 50万円未満 |
平均値 | 1,033.1万円 | 1224.7万円 | 706.7万円 | 327.2万円 |
これは常陽銀行が2016年国民生活基礎調査[各種世帯の所得等の状況](厚生労働省)をもとに算出した「1世帯あたりの貯蓄金額について中央値と平均値の比較」データです。
平均値は一見すると高いようにみえますが、これは富裕層のデータも含まれるため、中央値(データを大きさの順に並べた時に中央にくる数値)で見ると、それほど貯蓄できていないことがわかります。
貯蓄で年金の不足分を補えないとすると、貯蓄をした資産をもとに運用をするなど対策が必要になってきます。
しかし資産運用なんて全く分からない、知識もないし投資はリスクがあるから抵抗があるという人もいるでしょう。
それは当然な反応だと思います。
しかし知らないことが一番のリスクで、知ることでリスクは回避できます。
FP資格の勉強はこういったお金に関する総合的な知識を学び、ライフプランニングに役立てることができます。
いつどんなお金が必要になり、自分が思い描く老後の生活を送るためにはどんな準備が必要なのか。
そのことを知るきっかけとなります。
ライフプランニングをFPに相談するという方法もあります。
しかし資産運用などの話を聞く際にも同じことが言えますが、何も知らない状態よりも、ある程度の知識がある状態で聞くほうがさらに効果的でリスクを回避できます。
定年後の目的を見つけておくことで有意義な老後に
日本FP協会ホームページより
これは2018年8月時点でのCFP・AFP認定者の年代別の割合です。
40代が32%と最も多く、次いで50代の30%となります。
こうして見てみると60代以上の割合も意外と多いことがわかると思います。
実際に自己啓発の一環としてFP資格の勉強をするという高齢者の方もいるようです。
自分自身の生活に役立てることはもちろんのこと、周りの人や身近な人の手助けにもなればと考えて勉強する方もいます。
FP資格は終活にも役立つ
FPの勉強では不動産や相続、遺言書、事業承継なども学びます。
これらの知識は自分自身の終活にも役立てることができます。
終活というとエンディングノートが真っ先に浮かぶ人もいるかと思いますが、エンディングノートは終活の方法のひとつでしかありません。
残念ながら、エンディングノートだけでは不十分なところが多々あり、エンディングノートを書けば全部が済むという話にはならないのです。
何をどこまでやるのかは自分自身の判断となりますが、家族との話し合いも必要になります。
そういった話し合いの場でもFPでの知識を活かすことができますし、何をどこまでやるのか、その判断材料にもなります。
80歳で起業!?年商5億!
年金の不足分は資産運用などで補っていくことになり、FPでの知識は定年後の資産運用やライフプランニングで活用することができます。
しかし、定年後も働きたいという人もいるかと思います。
昔と違い、今の高齢者は定年後も元気が方が多いです。
定年後も自分のスキルを活かしたい、目的を持った生き方をしたいという人はFP資格を利用して働くという方法もあります。
FPは独立して事業を展開している者もおり、これまで会社のために働いてきたけどこれからは自分が好きなように働きたいという人は独立開業を視野に入れても良いかと思います。
FPではないですが、80歳で起業し年商5億円を稼ぐ方もいらっしゃいます。
定年後におすすめの資格
定年後のおすすめの資格は様々ありますが、ここでFP資格と相性の良い資格に厳選してご紹介します。
マンション管理士
マンションが増加している現状もあり、人気資格のひとつとなったのが「マンション管理士」です。
マンション管理士とは、マンション運営で発生するトラブル解決や管理、健全な運営のための提案などを行うコンサルティング業務です。
一般的には、マンション住民で結成される組合の依頼を受けて仕事を行うことになります。
- 住民間のトラブル解決
- 管理会社と住民間のトラブル解決
- 管理会社の監督
- 修繕工事の計画作成・進行
- 総会・理事会等の会合運営
- 管理費や修繕積立費の会計
- マンション管理規約の作成・更新
自身もそのマンションに住みながら、業務を行うケースもあり、管理費など一部免除を受けれる場合もあるそうです。
試験の合格率は7~8%と難関試験の部類に入ります。
FPとしての不動産や資産運用、相続といった知識を連動させて活かすことが可能です。
行政書士
行政書士は許認可申請など官公署に提出する書類作成のプロフェッショナルです。
こちらも人気資格のひとつです。
独立開業型の資格と言われており、実際に資格取得後は事務所を開業する方が多いです。
許認可以外にも相続や遺言書の作成、離婚問題、外国人関係など幅広い業務範囲が魅力でもあります。
合格率は10%前後。
以前は8%前後でしたが、最近は10%を超える時も多くなりました。
受験資格がないのも魅力のひとつです。
行政書士の顧客は許認可申請なら経営者、相続や遺言書なら一般市民という形になり、こういった顧客にもFPとしての知識を活かすことができます。
社会保険労務士
社会保険労務士は労働や社会保険に関する書類作成や提出を業務とする職業です。
年金や健康保険、医療保険などFPとの親和性も高く、コンサルティング業務に特化した社会保険労務士も増えています。
試験の合格率は7~8%前後。
10%を超える時はあまりなく、また受験資格なため、難関資格と言えます。
まとめ
- 定年後は資金、健康、目的、終活の悩みを抱える人が多い
- FP資格は定年後のライフプランニングに役立つ
- 定年後の目的を見つけておく
- 終活にFPの知識を活かす
定年後は第3の人生とも言われます。
定年後の長い年月をどう送るかを高齢者の方だけでなく、働き世代の方も今のうちから真剣に考えていく必要があります。
充実した老後を送るためにはお金ももちろん必要になりますし、生きがいも必要です。
そして、誰にも訪れる人生の終わりについて準備していかなければなりません。
FP資格はこれらの悩みを解決する第一歩となると思います。
以上、FPは定年後も活かせる国家資格でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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